堀川ゴボウ
伝統京野菜
真ん中に穴の空いた、太いゴボウです。伝統京野菜の一つで、その独特の形から、通常のゴボウとは全く別種のように思われがちですが、実は、品種としては「滝野川ゴボウ」です。栽培法が違うだけなのです。
10月に種を播いて、普通のゴボウと同じ物を作ります。これを6月頃に一旦引き抜き、長さ60cmに切りそろえ、斜めに寝かせるように植えなおします。 収穫は11〜12月で、その頃には太い独特の形に育っているという訳です。一年以上かかる手間の掛かったゴボウなのです。その分、値が高いのは当然ですね…。
でも、もともとは、豊臣秀吉が建てた「聚楽第」の堀が、豊臣氏滅亡後に住民のゴミで埋められ、そこに捨てられたゴボウが芽を出して太くなったのが始まりとか…。
何が幸いするか分からない物です…。
(野菜果物大百科第92号より)