イタチ胡瓜
滋賀県坂田郡伊吹町近辺の伝統野菜
キュウリは若い内に収穫せずに、もっと熟すまで置いておきますと黄色くなります。本来は、この黄色くなった物を利用したのですが、現在でも、黄色いキュウリを利用している地域があります。
その一つが、私の住む岐阜県安八郡のすぐ近く、滋賀県坂田郡伊吹町で、そのキュウリは「イタチキュウリ」と呼ばれています。
伊吹町はその名の通り、伊吹山のふもとの町です。 ここで古くから栽培されているイタチキュウリは、地這い栽培(支柱を立てないで、地面を這わせて栽培する方法)で作られています。
なぜイタチキュウリと呼ぶか…。想像できますね。太く黄色くなったキュウリがイタチに似ているからです。
イタチキュウリは、あんかけ煮にして食べられます。 一口大に切って、多めの水にみりん・醤油・砂糖で味を付けたもので30分程煮込み、水解き片栗粉でとろみを付け出来上がりです。トウガンと同じ食べ方ですね。
但し、必ず黄色くして食べるという訳でもなく、若採りした物も食べるようです。
また、近くの長浜市辺りでも、同じ様に「イタチキュウリ」と呼んで黄色い地這いキュウリを食べているようです。
(野菜果物大百科第74号より)