万願寺唐辛子

 京都の伝統野菜

 万願寺唐辛子は、京都府舞鶴の万願寺(まんがんじ)地区で栽培されてきた地方野菜(京野菜)です。大正時代くらいに「伏見唐辛子」とピーマンの「カリフォルニアワンダー」が交配して出来たのではないかと考えられていて、京野菜の内、「伝統野菜に準ずる野菜」という扱いを受けています。
 唐辛子と言っても、全く辛くない甘唐辛子で、10cmを越える大きさの大型唐辛子です。ピーマンとは違う細長い形の「唐辛子形」ですが、ガクに近いところが少し絞り込んだような、ルーズソックスのような形をしています。
 見た目はゴツくて硬そうですが、意外と軟らかく、甘味があって美味しい野菜です。栄養面でも、ビタミンCに関しては、ピーマンより豊富だそうです。

 私も万願寺唐辛子を栽培しているのですが、美味しくて、お気に入りのお勧め野菜です。 ただ、栽培に関しては、少々難しく、困り者です。 草勢が弱くてナカナカ大きくなってくれず、病気にも弱いようです。また、他のピーマン・唐辛子類と非常に交配しやすい為、種取り分は、完全に隔離して栽培しなければなりません。

 食べ方としては、素揚げが一番良いとされています。穴をあけて天ぷらより少し熱い油で、皮が白くなる程度に揚げ、油をきって醤油をかけて食べます。(穴をあけずに揚げますと、中の空気が膨張して弾けてしまいます。)
 私は、軽く焼いて醤油を付けて食べるのが好きです。その他、煮ても美味しいです。
 通常は、なかなか手に入れ難い野菜ではありますが、機会がありましたら、是非食べてみて欲しいです。京都に行かれた時には、八百屋さんに寄って買ってみて下さい。

   (野菜果物大百科第38号より)

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