ミズ菜

 京都の伝統野菜 

 ミズ菜は、「ツケナ」の一種です。ギザギザした形の葉の菜っ葉です。京菜(キョウナ)という別名から分かりますが、伝統的京野菜の一つで、京都を中心に関西地方で多く生産・消費されています。
 私の住む岐阜県安八郡は、関ケ原を越えますと滋賀県。 京都に近い土地ですので、この時期、ミズ菜の栽培が盛んです。

 ミズ菜は、漢字で記すと「水菜」です。 古くは「水入り菜」と呼ばれました。これは、栽培法に由来する呼び名です。 どういうことかというと、普通の菜とは違って肥料をあまり使わず、畦(うね)の間に水を引き込んで栽培したのです。
 私の住む地域は「輪中」といって周りを川に囲まれた湿地帯です。水が豊富ですので、今でも水田の裏作(稲を収穫して、次の稲を栽培するまでの間、他の作物を栽培すること)としてミズ菜の栽培がされています。水を引き込むことまではしませんが、本来の栽培法に近い栽培の仕方だと思います。(雨がふれば、水びたしになります。水田ですから…。)

 ミズ菜といえば、鯨肉の「はりはり鍋」が有名です。(関東の人は知らないかも知れません。最近は鯨肉が手に入りませんし…。)
その他、鍋料理に良く合います。 私は、ハクサイを入れた鍋料理より、ミズ菜を入れたモノの方が好きです。
 鍋料理の他には、浅漬けも美味しいです。アクやクセがありませんし、シャキシャキした食感がたまりません。
 さっとゆでて、カラシ醤油(酢も少し入れます)であえても美味しいです。

 ミズ菜には、カロチンやビタミンC・Eが豊富に含まれていて、ガン抑制作用があり、肌をみずみずしく保つのに効目があるそうです。また、風邪の予防になるともされていて、寒い冬にはピッタリの野菜です。
 最近は関東地方でも、大手のスーパーで販売されているとのことですので、食べたことが無い人は、一度お試し下さい。

   (野菜果物大百科第55号より)

伝統野菜ページ   トップページ