聖護院大根

 京都の伝統野菜 

 聖護院大根(しょうごいんだいこん)はカブラのような丸い形のダイコンです。 京野菜の1つで、京都の冬には欠かせない食材です。「形がちょっと変わっているだけ。」「たかがダイコン。普通のと変わらない。」と思ったら大間違い。 煮るとたいへん軟らかく、味がしみ込みやすくて、とろけるような口当たり。
 通常のダイコンと比べると、倍以上の値の高級品ですが、一度は食べてみる価値のあるモノです。

 このダイコン、初めから丸かったわけでは、ありません。初めは、普通の長いダイコンだったのです。
 誕生地は京都市東部の、左京区聖護院地区です。江戸時代後期の文政年間、聖護院の東の「黒谷」と云うところに光戒光明寺というお寺があり、ここに尾張の国からダイコンが奉納されました。 聖護院の農家がそのダイコンを貰いうけ、何年も大切に育てていると、どういうわけか丸くなってしまいました。これが聖護院大根です。
 聖護院大根の旬は、12月〜2月。私の家でも、毎年栽培して出荷しています。


 私は、個人的には野菜の味付けで甘いのは、好きではありませんので、普段は調理に砂糖をほとんど使いません。しかし、聖護院大根だけは別です。豚肉と一緒に煮て、少し甘めの味付けをすると最高です。味の好みは人それぞれですので、全ての人が良いと思うかは分かりませんが、ご参考まで。
 (普段砂糖を使用しない者が云う「甘め」ですので、普通の味付けでよいのかもしれません。)

   (野菜果物大百科第17号より)

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