沖縄山芋

 琉球野菜  

 ヤマイモと云うと、どのような物を想像されますか?おそらく、長くて細い物ではないでしょうか。
 しかし、沖縄のヤマイモは違います。太くて短いイモです。大薯(たいしょ)とも、ヤムイモとも、台湾ヤマイモ呼びますが、非常に粘りが強いイモです。
 色もビックリ。 何と!紫色のモノがあるのです。白いモノもありますので、色の付いているモノは「紅(べに)ヤマイモ」と呼ばれていますが、何とも不思議なヤマイモです。

 沖縄と云えば、紫色のサツマイモが非常に有名ですが、この紅ヤマイモの色の成分も、同じ、ポリフェノールのアントシアニン。赤ワインとも同じモノで、活性酸素を消す作用があります。まだあまり他県には知られていないイモですが、長寿県沖縄の秘密野菜といったところでしょうか。

 利用法もいろいろ面白いモノが考えられます。通常は、吸い物に入れたり、煮たり、菓子(カルカン等)に加工したりするようです。
 饅頭の皮に入れれば、色粉を使わなくても赤い饅頭が出来ます。粘りが強いので、すりおろして油で揚げることも出来ます。

 そして、とろろ。赤いとろろも面白いのではないでしょうか?あまり色が濃すぎると不気味かもしれませんが、普通のヤマイモと混ぜてほんのりと色を付けると、食欲をそそるモノになると思います。 ホウレンソウの御浸しに、赤いとろろをかけたヤマカケも彩りが良いのではないでしょうか?

 ヤマイモは、とろろにしますと酵素の働きで消化がよく、その上、糖の吸収をゆっくりにさせる働きもあって、血糖値が上がり過ぎるのを抑えてくれるそうです。 また、アルコールの吸収も抑え、コレステロールを体外へ排出する効果もあるそうです。
 紅ヤマイモの場合は、これに、更にポリフェノール効果が加わるのですから、言う事無し。
 しかし、問題は、本土では手に入れにくいこと。沖縄旅行される予定がある方は、秋から春先までの時期でしたら、那覇の市場で手に入ります。ちょっと高いモノですけれど、その価値は十分あると思います。 是非一度、お試し下さい。
 なお、当方でも栽培しています。(販売期10〜11月)

   (野菜果物大百科第49号より)

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