山科茄子

 京都の伝統野菜 

 名の通り京都山科地区特産であることから、こう呼ばれます。形は電球形で、手のひらに納まるくらいの大きさです。
 詳しい起源は分からないということですが、近隣で作られていたナスの中から風土に合った物を選択してゆき、出来あがった物の様です。
 昭和初期までは、京都でナスといえばこの品種を指したという、かつての主流品種で、皮が薄く、肉質は軟らかくて歯ざわりが良いたいへん良いナスです。  しかし、皮が薄い為に傷つきやすく、変色も早い為に現代の流通には不向きで、だんだんと消えていってしまいました。

 京都での山科茄子の定番は「にしんとの炊き合わせ」だそうで、ナスの美味しさが生かされた、とろけるような味わいです。薄味で煮物にするのが一番のようです。
 六月から十月中旬まで出回ります。

   (野菜果物大百科第42号より)

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